周りの人が言うように、
僕は奥手だとおもいます。

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だから巷で流行のマッチングアプリが好きになれません。
上手く言えないのですが、なにか不純なものを感じてしまいます。
自然に出会うのが理想というか。
自然に出会って、恋して、手をつないで、ゆくゆくはそれ以上も。

それを会社の上司に相談したら、むりやり有料のTin〇erに登録されました。

上司は既婚者だけれど、
マッチングアプリで出会った子と月に３～４回はセックスしているらしいです。
頼んでもいないのにスマホでハメ撮りした動画も見せてもらいました。
心のどこかがざわつきましたが、少し羨ましくもありました。
上司いわく、僕はもっと異性に馴れたほうが良い、とのことです。

メッセージとかは全部その上司がやりとりしました。
数日の内にあっという間に段取りが付いて、
新宿御苑駅近くのコーヒーショップで待ち合わせる事に。
あまりの手際の良さに僕は少し怖くなってきました。

相手は子供英会話塾の先生。
僕はリテラシー高そうな女性は苦手ですが、上司曰く
「プロフィールは1000%うそ」「大抵あほ」「困ったら酒飲ませろ」だそうです。
とたんに勇気が湧いてきます。

当日、僕は会社帰りだったので、スラックスとワイシャツを着て臨みました。
佐々木さん（女性）はオフィスカジュアルな、いかにも英会話の講師っていう恰好でした。

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コーヒーを飲みながらいろいろ話たのですが、
上司が言うほど簡単にはいきませんでした。
異性と話馴れていないと、言葉がのどにつかえてうまく声になりません。
緊張でコーヒーの味すら覚えていません。
僕はこの時ほど自分がどれだけつまらない奴なのかを実感したことはありませんでした。

佐々木さんが帰ろうとしたので、
「全部僕がおごるから」ってことで、
慌ててダイニングバーっぽいところに誘いました。
恐らく僕はなめられていたんだと思います。
佐々木さんはつぎつぎ料理を注文して、がんがん高いお酒を飲みました。
でも結果的に酔いつぶれました。
肩をゆすっても「うー」とか「あー」しか言いません。
まさにこれが上司の言っていたことなのかと思いました。
お持ち帰りってやつです。
上司の言うことは聞くものです。

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